相続した家の売却にかかる費用一覧――手取りはいくら残る?

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「3,000万円で売れた」としても、その全額が手元に残るわけではありません。売却にかかる費用を一覧で整理します。

売るときにかかる費用

仲介手数料

売買価格の3%+6万円+消費税が上限(400万円超の場合)です。3,000万円なら、96万円+消費税で約105.6万円。売却費用の中で最も大きい項目です。

相続した実家では、上限が変わることがあります
2024年7月の法改正で、物件価格800万円以下の「空家等」を売る場合、仲介手数料の上限が引き上げられました。通常の速算式にかかわらず、上限33万円(税込)まで受け取れる特例です。
相続した実家は、地方や郊外で価格が低くなりやすい物件です。この特例の対象になっている可能性を、査定の段階で確認しておく価値があります。

印紙税

売買契約書に貼る印紙代です。2027年3月31日までに作成される契約書は、軽減税率が適用されます。

  • 契約金額1,000万円超5,000万円以下:1万円
  • 契約金額5,000万円超1億円以下:3万円

登記費用

  • 相続登記:登録免許税(固定資産税評価額の0.4%)+司法書士報酬
  • 抵当権抹消:ローンが残っていた場合

相続登記そのものについては相続登記をしないまま家は売れる?にまとめました。

測量・境界確定費用

隣地との境界が不明確な場合、確定測量が必要になることがあります。相場は30万〜80万円程度で、古い実家では境界標が失われていることも多く、発生しやすい費用です。

解体費用・残置物処分費用

更地にする場合や、家財が大量に残っている場合にかかります。遺品整理を業者に頼む場合、一戸建てまるごとで50万〜100万円を超えることもあります。家財が多いほど費用は上がります。金額差が大きい分野なので、複数社の見積もりを比べておくと差が出ます(遺品整理のコンシェルジュなどで一括見積もりが取れます)。

譲渡所得税・住民税

利益が出た場合にかかります。3,000万円特別控除が使えれば、ゼロになることもあります。ただしこの特例には建築時期(昭和56年5月31日以前)や売却期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)といった要件があります。詳しくは実家を売ったら税金はいくら?3,000万円特別控除をわかりやすく整理をご覧ください。

ざっくりした手取りの考え方

手取り = 売却価格 -(仲介手数料 + 各種費用 + 税金)

目安として、売却価格の4〜6%程度が諸費用として出ていくと考えておくと、大きく外れません(解体や測量が必要な場合はさらに増えます)。

費用を抑えるポイント

  • 親の購入時の契約書を探す:取得費が証明できると税額が大きく変わります
  • 3,000万円特別控除の要件を確認する:期限があるため早めに
  • 低廉空家等の特例に該当するか確認する:800万円以下の物件なら仲介手数料の上限が変わります
  • 買取なら仲介手数料がかからないことがある:不動産会社が直接買い取る場合。ただし買取価格自体は市場価格より低くなります

まずは売却価格の目安から

費用も税金も「いくらで売れるか」が決まらないと試算できません。手取りを知りたいなら、出発点は査定です。

ざっくりAI査定+で売却価格の目安を見る

※費用の相場は地域・物件により異なります。税金の詳細は税理士にご確認ください。

手取り額のシミュレーション

以下は仕組みを理解するための単純な例です。実際の金額は物件や地域で変わります。

例:2,000万円で売却できた場合(相続登記済み・解体なし・測量不要)

  • 仲介手数料:約72.6万円(2,000万円×3%+6万円+消費税10%)
  • 印紙税:1万円(軽減税率適用)
  • 相続登記費用:15万円(登録免許税+司法書士報酬)
  • 遺品整理・残置物処分:50万円
  • 譲渡所得税:特別控除が使えれば0円

手取り:約1,861万円(売却額の約93%)

同じ2,000万円でも、条件が悪い場合

  • 上記に加えて、確定測量 50万円
  • 解体費用 150万円
  • 取得費不明のため譲渡所得税が発生(特別控除の要件を満たさない場合)

この差が示すのは、「いくらで売れるか」だけでなく「どれだけ費用がかかる物件か」も手取りを大きく左右するということです。査定を依頼するときに、測量の要否や解体の必要性も一緒に聞いておくと、手取りの見通しが立ちます。

費用の支払いタイミング

「手元にお金がないと売れないのでは」と心配される方がいますが、多くの費用は売却代金から支払えるタイミングです。

  • 先に必要:相続登記費用、測量費用、解体費用(する場合)、遺品整理費用
  • 売却代金から支払える:仲介手数料(半額を契約時、残りを決済時が一般的)、印紙税、抵当権抹消費用
  • 翌年に支払う:譲渡所得税・住民税

特に注意したいのは譲渡所得税です。売却の翌年に納付するため、代金を使い切ってしまうと納税資金が足りなくなることがあります。

よくある質問

Q. 仲介手数料は値引きできますか?
A. 法定の上限が決まっているだけで、下限の定めはありません。交渉の余地はありますが、手数料が安い分サービスが限定されることもあります。

Q. 買取なら本当に仲介手数料はかかりませんか?
A. 不動産会社が直接の買主になる場合は仲介ではないため不要です。ただし仲介として買取業者を紹介される形なら手数料は発生します。契約前に確認してください。

Q. 低廉空家等の特例は、誰でも使えますか?
A. 対象は物件価格800万円以下の宅地・建物です。上限額は仲介業者が自由に設定できるものではなく、あらかじめ依頼者への説明と合意が必要とされています。査定額が出た段階で、不動産会社に確認するのが確実です。

迷ったら、査定と一緒に相談を

手取り額の見通しは、費用・税金・特例が複雑に絡むため、一人で正確に出すのは簡単ではありません。

初回相談を無料で受けられるところもあります。査定と合わせて、費用面も一度整理してもらうのも一つの方法です。

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早川誠の感想:相続の時にどれだけ手元にお金が残るのか。一番の心配事ですよね。手数料に税金、きちんと勉強して、多くのお金を相続できるようにしましょう。

片付けや特殊清掃の金額そのものは、遺品整理と特殊清掃の費用相場に間取り別の目安をまとめています。

貸す場合や持ち続ける場合の費用は実家は売るか、貸すか、持ち続けるかで比べています。

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