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相続した実家が築40年、50年という古い家なら、「家を解体して更地にしたほうが売れるのでは」と考える方は多いです。しかし解体には数百万円かかることもあり、判断を誤ると損をします。家を解体するかどうかの分かれ目を整理します。
解体費用の目安
木造住宅で1坪あたり3〜5万円程度、30坪なら100万〜150万円程度が一般的な目安とされます。加えて次の費用がかかることがあります。
- 庭木・ブロック塀・物置の撤去
- 残置物(家財道具)の処分費用
- 重機が入れない立地での手壊し費用(割高になります)
とくに注意していただきたいのが、アスベスト含有建材がある場合です。
通常の木造解体が坪3〜5万円なのに対し、アスベスト含有建材の除去・処分が必要な解体は坪4〜8万円程度が目安です。30坪なら120万〜240万円ほどになる計算です。
1975年(昭和50年)以前に建てられた建物は、アスベストが使われている可能性があります。事前の調査で見積もりが大きく変わることがあるため、複数社の見積もりを取る段階で必ず確認してください。
家を解体して売るメリット
- 買い手が「建て替え前提」で検討しやすくなる
- 更地は土地の広さや形が見えるため、印象が良い
- 家の瑕疵(欠陥)についての責任を負わずに済む
家を解体するデメリット(見落としがち)
- 固定資産税が上がる:家が建っている土地には住宅用地の特例があり、解体して更地にすると税額が上がります。売れるまでの期間が長引くほど負担が増えます。空き家を放置した場合の税負担については誰も住まない実家、「とりあえず空き家」が一番損になる3つの理由にまとめました
- 費用が回収できないことがある:解体費150万円をかけても、売却額が150万円上がるとは限りません
- 再建築不可の土地では致命的:建築基準法では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していない土地には新しい建物を建てられません(接道義務)。この条件を満たさない土地は、解体すると新しい家を建てられなくなり、価値が大きく下がります。この場合は解体してはいけません
古い家をどうするか、判断の順番
結論として、解体を決める前に不動産会社に相談するのが正解です。理由は3つあります。
- その地域で古家付き土地と更地のどちらが売れやすいかは、地元の会社が知っている
- 再建築不可かどうかの確認が先に必要
- 買取業者なら、古い家をそのまま買い取る前提で査定するため解体不要のことがある(空き家・中古戸建ての買取専門【ラクウル】
のような空き家・中古戸建ての買取専門もあります)
「片付けてから」「解体してから」と準備を整えてから相談する必要はありません。むしろそのままの状態で家の査定を受けて、どうするのが得かを聞くのが、費用を無駄にしない順番です。
古い家を解体するかどうかの判断チェックリスト
次の項目に当てはまるほど、解体せずそのまま売るほうが有利になります。
- 再建築不可の可能性がある(接道が2m未満など)
- 家がまだ使える状態(雨漏りなし・傾きなし)
- 売却まで時間がかかりそうな地域(更地にすると固定資産税の負担が増えます)
- 買取業者への売却を検討している
- 解体費用を用意するのが負担になる
逆に、次の場合は解体を検討する余地があります。
- 家が明らかに危険な状態(倒壊のおそれがあり、自治体から「特定空家等」に指定されている、または指定されるおそれがある)
- 周辺が新しい住宅地で、更地のほうが売りやすいと地元業者が判断している
- 買主が決まっており、更地渡しが条件になっている
解体費用を抑える方法
- 複数社から見積もりを取る:解体業者によって金額差が大きい分野です
- 家財は自分で処分できる分だけ処分する:残置物が多いほど処分費が上がります
- 繁忙期を避ける:年度末は解体工事が立て込み、価格が上がりやすい傾向があります
もう一つ、自治体の補助金も確認する価値があります。売却時の税金全体は実家を売ったら税金はいくら?3,000万円特別控除をわかりやすく整理にまとめています。
倒壊のおそれがあるなど、著しく危険な空き家(自治体の基準で「特定空家等」等に該当するもの)の解体を対象に、費用の一部を補助する制度を設けている自治体があります。補助率は解体費の1/2〜2/3程度、上限額は自治体により30万〜150万円程度と幅があります。
申請は工事に着手する前が絶対条件です。先に解体してしまうと補助を受けられません。利用を考えるなら、業者を決める前に自治体の窓口へ確認してください。
対象は「著しく老朽化した危険な空き家」に限られることが多く、まだ住める状態の建物では対象外になるのが一般的です。
「古家付き土地」という売り方
古い家の価値をゼロとして、土地の価格で売り出す方法です。買主が自分の希望で建て替えられるため、実務上よく使われます。
- 売主は解体費用を負担しなくてよい
- 買主が解体費用分の値引きを求めてくることが多いですが、自分で解体するより安く済むケースもあります
- 建物の瑕疵について責任を負わない旨(契約不適合責任の免責)を契約で定めるのが一般的です
迷ったら、査定と一緒に相談を
解体するか、古家付きのまま売るか。この判断は、地域の需要・接道条件・家の状態が絡み合うため、一人で決めるのは簡単ではありません。
初回相談を無料で受けられるところもあります。解体の要否を含めて、早めに専門家に整理してもらうのも一つの方法です。
まとめ
家の解体は後戻りできない上に高額な決断です。しかも解体すべきかどうかは、その地域の需要を知らないと判断できません。査定を依頼する際に「家を解体して更地にしたほうが売れますか」と聞けば、地元の会社は具体的に答えてくれます。順番を間違えないことが、そのまま費用の節約になります。
※解体費用や補助金の条件は地域・物件・自治体により異なります。具体的な判断は解体業者・自治体窓口・不動産会社にご確認ください。
早川誠の感想:家には思い出もたくさん詰まっていて、解体という選択肢は心が痛むので解体しないという選択をする人も多くいます。ですが、築年数が経てば経つほど資産価値も減少します。最適な判断をしましょう。

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