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実家を売る話になったとき、金額や手続きより先に、気持ちのほうが止まってしまうことがあります。
調べていると、同じところで迷っている人が多いと分かります。「売るべきだと分かっているのに決められない」という声です。ここでは気持ちの整理と、事実の整理を分けて考えます。
なぜ実家を売ると決められないのか
実家そのものより、家にひもづいた記憶を手放す感覚があるからだと思います。
親がまだ元気な場合は「勝手に決めていいのか」という迷いも重なります。すでに亡くなっている場合は「売ったら親に申し訳ない」という気持ちが出てきます。
これは判断が遅れているのではなく、判断の材料に感情が含まれているということです。無理に切り離す必要はありません。ただ、感情と事実を同じ場所に置いたままだと、どちらも動かなくなります。
決めないことにも費用がかかる
事実の側から見ると、保留は無料ではありません。
固定資産税は毎年かかります。火災保険も、住んでいない家は条件が変わることがあります。誰も住まない実家は傷みが早く、修繕費は先送りするほど増えます。管理不全と判断されて勧告を受けると、固定資産税の軽減が外れることもあります。
空き家になった実家の火災保険の扱いは空き家の火災保険に、勧告で固定資産税が上がる仕組みは管理不全空家とは?に書きました。
さらに、相続した実家を売るときに使える3,000万円の特別控除には、相続開始から3年目の年末までという期限があります。
この期限を過ぎて損をした例は、相続した家の売却は3年以内ににまとめています。
売らないという結論もある
ここは誤解されやすいところですが、必ず実家を売らなければならないわけではありません。
住む人がいるなら住めばいいですし、貸すという道もあります。維持費を払い続けられて、その価値があると納得しているなら、持ち続けるのも立派な判断です。3つの比べ方は実家は売るか、貸すか、持ち続けるかにまとめました。
問題は「決めていない」状態です。売る、貸す、住む、どれかを選んだ上で持ち続けるのと、決められないまま時間が過ぎるのは違います。
実家を売るか決める前にそろえておくもの
気持ちの整理がつかない段階でも、事実だけは集められます。
- いくらで売れるのか:これが分からないと、他の選択肢とも比べられません
- 維持するといくらかかるのか:固定資産税と保険料の年額
- 兄弟がいるなら、それぞれがどうしたいか
査定を受けることは、売ると決めることではありません。数字を知った上で「やっぱり残そう」と決めてもいいのです。むしろ金額を知らないまま残す判断は、あとで後悔につながりやすいところです。
写真を残すという方法
実家を売ると決めた方が、引き渡し前に家の写真を撮っておくことがあります。部屋ごと、庭、玄関。家具を運び出す前と後。
建物は残せなくても、記録は残せます。これで気持ちが片付くわけではありませんが、区切りをつけるための手立てのひとつです。
実家を売るかどうか、急いで決める必要はありません。ただ、決めるための材料は早めに手元に置いてください。

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