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東京23区で、空き家の解体費用に区全体で補助金が出るのは、渋谷区・杉並区・北区・荒川区・江戸川区の5つです。
墨田区・板橋区・文京区・中央区にも補助金はありますが、「区が危険だと判定した家だけ」「跡地を区に貸す場合だけ」といった条件がつきます。
ほかの区では、火事が広がりやすい地区にある家か、地震に弱い古い木造住宅でないと、解体の補助金は出ません。空き家かどうかは関係ありません。
相続した実家を解体するかどうか迷っているなら、まず実家のある区を、下の表で探してください。内容は2026年10月5日に、各区の公式ホームページで確かめたものです。
23区の外にある市町村は、東京都の市町村の空き家解体補助金一覧にまとめています。
区全体で空き家の解体に補助金が出る5区
| 区 | 補助の額 | 対象になる家 |
|---|---|---|
| 渋谷区 | 費用(税抜)の50%、上限50万円 | 管理が行き届いていない空き家 |
| 杉並区 | 工事費の80%か150万円の、低いほう | 古くなって危険な空き家 |
| 北区 | 費用の2分の1、上限80万円 | 1年以上使われていない家か、傷みがひどいと判定された家 |
| 荒川区 | 費用(税抜)の3分の2、上限100万円 | 古い空き家。傷みがひどいと判定されると、1平方メートルあたり26,000円(500平方メートルまで)が上限になる |
| 江戸川区 | 費用の2分の1、上限50万円。空き家なら上限100万円 | 古い住宅。空き家だと分かる書類を出すと、上限が100万円になる |
条件つきで解体の補助金が出る5区
| 区 | 補助の額 | 条件 |
|---|---|---|
| 墨田区 | 費用の2分の1、上限100万円(建て替えできない土地は3分の2、上限200万円) | 傷みがひどい「不良住宅」と判定された家。建てた年や、人が住んでいるかは問わない |
| 板橋区 | 上限100万円(建て替えできない土地などは上限200万円) | 区が「危険な空き家」などに認定した家だけ |
| 文京区 | 上限200万円(税抜) | 壊したあとの土地を、区に原則10年間、無料で貸す |
| 中央区 | 費用の5分の4、上限150万円 | 道路にきちんと面していない土地を、区が買い取る事業を使う場合 |
| 足立区 | 公式ページに金額が書かれていない | 区の審議会が「勧告すべき」とした危険な家 |
古くても人が住んでいて、傷みが少ない家は、どの区でも対象にならない可能性があります。
ほかの13区は、空き家かどうかより地区か耐震の条件しだい
残りの区で出るのは、主に次の2種類の補助金です。
- 木造の家が密集していて、火事が広がりやすい地区(「不燃化特区」など)にある家の解体
- 地震に弱い古い木造住宅の解体。多くの区で、昭和56年5月31日以前に建てられた家が対象
区ごとの内容は、次のとおりです。
- 千代田区:見つからなかった(耐震診断と耐震改修の補助だけ)
- 港区:見つからなかった(個人の一戸建ては、建て替えのときだけ補助)
- 新宿区:木造の家が密集する地区だけ。上限50万円
- 台東区:谷中二・三・五丁目は上限300万円。浅草北部(東浅草二丁目、日本堤一・二丁目)は上限140万円。地震に弱い家は3分の1以内、上限50万円
- 江東区:地震に弱い木造住宅は2分の1、上限100万円。北砂三・四・五丁目にも補助あり
- 品川区・世田谷区:地震に弱い木造住宅と、火事が広がりやすい地区の補助
- 目黒区:上限50万円。ただし、持ち主が住んでいて、建て替えたあとも住み続ける家が対象なので、空き家には使えない
- 大田区:地震に弱い木造住宅は、区内の中小企業に頼めば3分の2・上限100万円、それ以外なら2分の1・上限75万円。火事が広がりやすい地区は最大150万円
- 中野区:地震対策の建て替え補助と、大和町地区の補助
- 豊島区:火事が広がりやすい地区の補助
- 練馬区:防災まちづくりの地区にある、古い耐震基準の家は上限150万円
- 葛飾区:火事が広がりやすい地区と西新小岩五丁目は最大200万円。地震に弱い木造住宅は最大180万円
上の5区と、条件つきの区の一部にも、同じような地区や耐震の補助金が別にあります。文京区は、昭和56年5月31日以前の木造住宅なら費用の3分の2以内・上限150万円。足立区は、火事が広がりやすい地区で最大280万円、地震に弱い木造住宅で費用の9割・上限150万円です。
「見つからなかった」は、その区の公式ページを読んだ範囲では見当たらなかった、という意味です。制度が無いとは言い切れないので、区の担当課に電話で確かめてください。
どの区も、解体する前に補助金を申請する
区全体の補助金は、どの区も、工事を始める前に申請して、区の承認を受ける必要があります。先に解体してしまうと、補助金は出ません。
北区は、承認の前に解体した工事を対象外にしています。杉並区は、工事を始めたあとの申請を受け付けません。板橋区は、工事を始める14日前までに申請します。
解体業者との契約も、承認のあとです。見積もりまでは進めてかまいませんが、契約はまだしないでください。
補助金の申請期限
期限がはっきり書かれていたのは、3つの区です。
- 北区:4月1日から10月31日まで。予算に限りがあるので、早めに締め切られることもある
- 江戸川区:2026年度は12月25日まで
- 渋谷区:その年度の1月末までに申請して、3月15日までに工事を終える
杉並区・荒川区・墨田区は、受付期間が書かれていません。予算がなくなれば終わる区が多いので、年度の後半なら、まだ予算が残っているかを区に聞いてください。
相続人でも補助金を申請できるのか
相続人が申請できるかを、はっきり書いている区は多くありません。
- 板橋区は、申請できる人に「法定相続人」を含めています。
- 北区は、相続で家を受け継いだ場合の書類として、遺産分割協議書などを挙げています。
- 杉並区は、相続などで持ち主が何人もいる場合、全員の同意を得た代表者が申請します。
相続登記がまだなら、先に済ませておくと、申請の書類がそろえやすくなります。登記のルールは相続登記をしないまま家は売れる?にまとめています。
解体せずに売る道もある
補助金が出ても、解体の費用が全部戻るわけではありません。上限は50万〜100万円の区が多く、残りは自分で払います。
相続した古い実家なら、壊さずに売って、買った人に壊してもらうこともできます。2024年からは、古い家を残したまま売っても、買った人が翌年2月15日までに壊すか耐震改修をすれば、売った側が3,000万円の控除を使えるようになりました。壊す場合と壊さない場合の税金の比べ方は、空き家の解体補助金|もらっても先に壊さないほうがいい場合を、固定資産税・3,000万円特例・古家付き売却で比べるに書いています。
壊してから売るか、そのまま売るかの分かれ目は古い家は解体してから売る?そのまま売る?に、区から管理の指導を受けた場合の話は管理不全空家とは?にあります。
解体するか売るかは、売れる値段で決める
補助金を使って解体するにしても、そのまま売るにしても、まず「今のままでいくらで売れるか」を知っておくと、迷わずにすみます。
査定を頼んでも、売らなければいけないわけではありません。電話を受けずに目安だけ知りたいなら、ざっくりAI査定+のように、住所や広さを入れるだけで相場が分かるサービスもあります。
実家が東京・神奈川・千葉・埼玉にあるなら、相続した空き家や古い家を専門に扱う査定もあります。
区に電話で聞くのは、この4つ
- 実家は、補助金の対象になるか(空き家の期間、傷み具合、建てた年)
- 今年度の受付はいつまでか。予算はまだ残っているか
- 相続登記が済んでいなくても申請できるか
- 申請してから承認が出るまで、何週間かかるか
この4つが分かれば、期限から逆算して、解体するか売るかを決められます。
※制度の一般的な整理です。補助の内容や受付は年度ごとに変わります。申請する前に、必ず区の担当課にご確認ください。出典(2026年10月5日確認):各区の公式ホームページ。渋谷区「空家等適正管理支援事業」、杉並区「老朽危険空家除却費用の助成制度」、北区「老朽空家等除却支援事業」、荒川区「老朽空家除却助成事業」、江戸川区「老朽住宅除却工事助成事業」、墨田区「老朽危険家屋除却費等助成制度」、板橋区「老朽建築物等除却費助成事業」、文京区「空家等対策事業」、中央区「密集街区環境改善まちづくり事業」、足立区「老朽家屋等解体工事助成」ほか、各区の不燃化特区・耐震化促進事業の案内ページ。国税庁 タックスアンサー No.3306。


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